卑怯者=野崎歓の醜悪 2 そうして、野崎歓、こう書きます。
あのさあ、「亀山さんのドストエフスキー翻訳、および研究の際立った特徴は、アカデミックな冷静さをほとんどかなぐり捨てるような勢いで、作家の核心に踏み込むと同時に、そこに自分自身の人生の謎を解く鍵を探り当てようとするところにある」って何だ? 最先端=亀山郁夫の「ドストエフスキー翻訳、および研究」は「アカデミックな冷静さをほとんどかなぐり捨てるような勢い」ではあるけれど、「勢い」があるだけで、「アカデミックな冷静さ」を保ってはいるってことですか? もう一度お訊ねしますが、「アカデミックな冷静さ」は保たれていると思っていいのかな、野崎歓さん? それよりも、最先端=亀山郁夫には最初からほんのわずかでも「アカデミックな冷静さ」なんてものはないだろうと私は思いますが、次に行きましょう。「作家の核心に踏み込むと同時に、そこに自分自身の人生の謎を解く鍵を探り当てようとするところ」って何だ? 最先端=亀山郁夫のでたらめだらけの「小さい・せこい・貧しい・薄っぺらな」読解のどこが「作家の核心に踏み込」んでいるんですかね? 野崎歓さん、そう書いたからには、詳細に説明してみなさいよ! 何が「その果敢な探求」ですかね? これって、最先端=亀山郁夫のでたらめぶりをどうにか糊塗して何とか無理やり褒めようとすると、そんなふうにいうしかないってことですよね? 「テクストと現実、実作と研究のあいだは壁で隔てておかなければならないといった小心な発想」って、もう笑いが止まらないよ! 自分で何をいっているのか、わかっていますか、野崎歓さん? 「もちろん、それぞれの訳書に付された解説・注釈や、重量級の著作の数々は、時代背景に周到に留意し、先行する研究を十分に踏まえたうえで書きあげられた、堂々たる専門的成果であるに違いない」の「違いない」って何だ? 「違いない」って書けば、実際はそうでなくても、自分には責任が生じないものなあ。そういうアリバイづくりだよねえ? でも、実際には最先端=亀山郁夫の仕事が「時代背景に周到に留意し、先行する研究を十分に踏まえたうえで書きあげられた、堂々たる専門的成果で」ないことをあなたは承知していますよね。それなのに、よくもこんなことがいえたものだ! 「それがいわゆる作家研究の狭苦しい領域におさまらない」って、あんたは「研究」と称して、どんなでたらめもやっていいと、そういっているんだな? あんたもそうやっているのかな? 最先端=亀山郁夫の「過剰なほどの熱量」! いいかげんにしろよ! 「だからこそ、亀山さんのドストエフスキー学は門外漢のあいだにもこれほど支持を広げていったのである。大学かいわいでは文学研究衰退を嘆く声ばかり聞こえる中、亀山さんは閉塞を突き抜けるあまりに鮮やかな例を示してくれたのだ」って、本気でそういっているのか? 売れりゃ、それでいい、どんなでたらめでも、売れりゃ、それでいいってことでしょうが? 正直にいえよ! どうせ読者なんて馬鹿だから、翻訳なんかいいかげんでいいんだと、そういえよ! それなのに、「同時にそれは、研究者自身のよって立つ足場を揺るがしかねない危険な道でもある」って、何をびくびくしているのかな? あんたもやったらいいだろうに! 最低だぞ、野崎歓! 醜悪! 醜悪! 醜悪! あんたのような人間に私はなりたくない! 野崎歓はここで、もうやけのやんぱちだ。沼野充義にそっくりです。ここで、沼野充義の文章をまた引用することも無駄じゃないです。
右の文章を引用しながら、私は以前にあれこれ書きましたっけ。それで、当時は書かなかったことで、いまこの文章を読み返しながら、あらためて気づいたことを書いておきます。 沼野充義の「新訳のおかげで、いまやこの十九世紀ロシアの予言者は、九・一一以後の世界の「現代作家」として新たな生を享けつつある」ですが、その「九・一一」について、これを思い出してもらいましょう。
「二〇一一年の大震災」=「三・一一」ですね。それと、二〇〇一年の「九・一一」です。沼野充義の口にする「三・一一」については、少し前の文章で批判しましたが、それと同じことが彼の「九・一一」にもいえます。つまり、「三・一一」も「九・一一」も沼野充義にとってはただただ自分が何かしらのアリバイをつくるための方便としての単語に過ぎないんですよ。便利な単語としてしか沼野充義には考えられていません。その単語さえ口にしておけば、馬鹿な読者がコロリと引っかかってしまうような、そういうもったいぶった単語です。 もし沼野充義が「九・一一」や「三・一一」を真剣に考えているなら、絶対に最先端=亀山郁夫を称揚することなどできません。そうして、沼野充義が最先端=亀山郁夫を称揚しつづけるからには、彼は必ず次の、そしてそのまた次の、さらにその次の「九・一一」や「三・一一」を待望する卑怯者だということになります。 野崎歓も同断。 |