「些細なことながら、このようなニュアンスの違いの積み重ねによって読者は、少しずつ、しかし確実に原典から遠ざけられて行く。」その一六 5-(2) 大西巨人の作品から引用。
もちろん、すぐに同じ作者のこれが想起されなければなりません。
私がこれから批判するのは、「各人の弱みや卑劣さをたがいに薄ぎたなくいたわり合って衆を恃むような消極的連帯」と「「正しくても、一人では行かない(行き得ない)」者たちが手を握り合う」ことについてです。これは「ベストセラー」批判であり、「世のなかの圧倒的大多数の=ふつうのひとたちの読書」批判でもあるはずです。当然にこれは最先端=亀山郁夫批判の一環でもあるわけです。 |