「些細なことながら、このようなニュアンスの違いの積み重ねによって読者は、少しずつ、しかし確実に原典から遠ざけられて行く。」その一二 いま、『死に至る病』の終わりの方をぱらぱらとめくっていて、目についた文章があったので、引用しておきます。
「私は亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟』に関してあえていかなる判断をも下さない、私はそれをいいともいわないが、悪いともいわない」── これが躓きの一形態であることを大抵のひとは看過している。 次の原稿のUPはまだしばらくお待ちください。毎日書きつづけているんですが、終わらないんです。 |